著作者人格権を学ぶための作品展示

N.ASAHI

N.ASAHI

著作者人格権の取り扱い

公表権

どんどん公表して下さい。

氏名表示権

挿絵として利用する際、作者名の表示も題名の表示も共に不要です。

同一性保持権

・サイズの変更:拡大縮小・縦横比の変更、共にOK
・色調の変更:無彩色への変更・他の有彩色への変更、共にNG
・トリミング:NG
・素材の削除:NG、追加:NG
・画像の回転:OK、反転:OK

N.ASAHI

N.ASAHI「夜明け」

他者の作品を使いたい場合は利用許諾を申し込むこととなりますが、その際、作品を「何の目的のため」に「どのように使用するか」を作者にきちんと伝えましょう。

なぜならば、作者の意図に反した使い方がなされないようにするためです。
作品の使われ方によっては使用NGとなることもあります。が、それこそが「作品に対する作者の思い」の現れなのです。

「どのような使われ方がNG」だと作者が言っているのかを示したのが、上記『著作者人格権の取り扱い』の欄ですが、それを読むことによって、作品に対する作者の思いが伝わってくるのです。
では、「N.ASAHI」の作品の「著作者人格権の取り扱い」の欄を例に、作者の思いを読み解いてみましょう。

練習問題

N.ASAHI

1.色調の変更

この著作権先生のコメント

答:NGです。
「色彩に力点をおいて創作したので、色彩を鑑賞して下さい。」という作者のメッセージが伝わってきますね。
白黒印刷で出版する場合は、この作者の作品を利用するのはやめましょう。

N.ASAHI

2.サイズ(縦横比)の変更

この著作権先生のコメント

答:OKです。
作品のイメージがずいぶん変わってくるので、NGにする人も多いです。
この作者は、自分の絵が太ったり痩せたりするのを楽しんでるのかな?。

N.ASAHI

3.画像の削除(トリミング)

この著作権先生のコメント

答:NGです。
全く違う作品になってしまいますからね。
自分の分身でもある作品が切り刻まれる気持ち、想像してみて下さい。
「自分の作品の隠された魅力を発見できる」という理由でOKする人もいます。
自身の絵に対する思いは、人それぞれなのです。

N.ASAHI

4.素材の削除

この著作権先生のコメント

答:NGです。
たとえ線1本でも、そこには作者の主張があるのです。
もちろん、OKしてくれる人もいますよ。

N.ASAHI

5.素材の付加

この著作権先生のコメント

答:NGです。
「犬に気がつかない人のために買いてあげたのに…」という親切心が、
かえって作者の気持ちを害することだってがあるのです。
自分の絵に落書きされるのは、あまり良い気はしませんから…。
もちろん、OKの人もいますよ。

N.ASAHI

6.画像の回転

この著作権先生のコメント

答:OKです。
展覧会場で「自分の絵が上下逆に展示されている」って激怒している人を見かけますが、この作者は御心が広いようで…。
でも、さすがに、90度回転は許してくれないようです。

N.ASAHI

7.画像の反転

この著作権先生のコメント

答:OKです。
線対称に変形することはOKだそうです。
「上下反転はOKで左右反転はNG」なんて人もいます。
ここでは、特段の記載がないので「上下も左右もOK」です。
「抽象画の中には上下左右が全く解らない絵が多いな…。」とお思いでしょう。
それもそのはず、この作者は絵ができてから上下を決めたんだって。

このように、「著作者人格権の取り扱い」を読むことで、
自身の絵に込められた「作者の思い」を想像することができるのです。
作者の気持ちを尊重して作品を利用して下さいね。

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